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世界の機関投資家ランキング!機関投資家が行う投資の特徴などを解説

目次

機関投資家とは個人投資家と違い、大量の資金を一度に使って運用するので、その投資力の高さや投資先によってはニュースになることもしばしばあるほどです。

ただし、当然ながら機関投資家はなんでもかんでも投資するわけではなく、企業のIR活動などの情報を元に投資するか決めるのが一般的です。

日本にも機関投資家が存在しますが、世界には日本以上に桁違いの投資をする機関投資家も存在します。

機関投資家が基準とする投資のプロセスや選ばれる銘柄には特徴があるので、それらを覚えておくと機関投資家に投資してもらいやすくなるかもしれません。

それでは、機関投資家が基準とする投資のプロセスや選ばれる銘柄には特徴、機関投資家とミーティングを行う方法、ミーティングを行うときのポイントについてご説明しましょう。

機関投資家とは

機関投資家とは、多額の資金を使って株式や債券を購入し、運用する法人の大口投資家のことです。

機関投資家は基本的に大口の投資しか行わないため、ひとたび投資が行われたときに市場に与える影響が大きく、たびたびニュースになることもあるほどです。

また、機関投資家といっても、以下のような投資スタンスに分かれていると言われています。

  • 日経平均やS&P500などの指数に基づいて行われるパッシブ
  • 個別銘柄の分析によって行われるアクティブ
  • 株価が理論値よりも割安と判断される銘柄に投資するバリュー
  • 成長性が高いと判断できる銘柄に投資するグロース

機関投資家と個人投資家の違い

機関投資家と個人投資家の違いは、投資する方向性の違いです。

機関投資家は資金力が高く、法規制が多い代わりに運用期間が長く、情報量が多いうえに順張りで投資する傾向にあります。

一方の個人投資家は資金力が低い傾向にあり、法規制が少ない代わりに運用期間が短く、情報量が少ないうえに逆張りで投資する傾向にあります。

ここまで大きく違うのは、機関投資家は自分の判断で投資しているのではなく、第三者からの資金運用の依頼によって投資を行っているからです。

第三者からの依頼による投資活動を行うため、数多くの法規制を受けながら専門家の分析によって長く運用するため、個人投資家と比べて失敗しにくいでしょう。

個人投資家はすべて自分の判断で投資を行うのが大きなポイントです。

効率良く短期間の投資で利益を得るために、テクニカル分析をはじめとするさまざまな分析方法を活用しているのが特徴です。

世界の機関投資家ランキングTOP10

世界の機関投資家が投資している企業のランキングTOP10は、以下の通りです。

順位 運用会社名 純資産額(億円)
1 BlackRock アメリカ 14,863,261
2 Vanguard Group アメリカ 12,571,038
3 Fidelity Investments アメリカ 6,286,468
4 State Street Global アメリカ 6,144,441
5 J.P. Morgan Chase アメリカ 4,622,245
6 Allianz Group ドイツ 4,386,800
7 Capital Group アメリカ 4,031,551
8 Goldman Sachs Group アメリカ 3,667,505
9 BNY Mellon アメリカ 3,614,542
10 Amundi フランス 3,463,274

国内規模が非常に大きいのか、アメリカの資産運用会社の大半がランキング上位を占めていることが分かります。

日本の機関投資家ランキングTOP10

日本の機関投資家が投資している企業のランキングTOP10は、以下の通りです。

順位 運用会社名 純資産額(億円)
1 三菱UFJアセットマネジメント 107,017
2 野村アセットマネジメント 105,965
3 アセットマネジメマネジメントOne 84,072
4 大和アセットマネジメント 80,873
5 三井住友DSアセットマネジメント 61,000
6 三井住友トラスト・アセットマネジメント 58,119
7 日興アセットマネジメント 53,041
8 フィデリティ投信 35,800
9 アライアンス・バーンスタイン 33,261
10 ニッセイアセットマネジメント 26,816

基本的に日系大手の金融グループが上位を席巻しているのが特徴です。

つみたてNISAなどの影響から日系大手の金融グループが国内シェアの大半を占めているため、今後も金融グループが注目を浴びることが予想されます。

機関投資家が実践する投資のプロセス

機関投資家が実践する投資のプロセスは、以下の通りです。

  • ポートフォリオのテーマを決める
  • スクリーニングで投資候補の銘柄を決める
  • 投資候補の企業の情報を集める
  • 業績予想とバリュエーションを検討する
  • ポートフォリオを構築する

それでは、機関投資家が実践する投資のプロセスについてご説明しましょう。

ポートフォリオのテーマを決める

機関投資家が実践する最初の投資プロセスは、ポートフォリオのテーマを決めることです。

セクターや業界、カテゴリーなどの多種多様な要素からどの会社に投資するか綿密なリサーチを行い、ポートフォリオのテーマを決めていきます。

スクリーニングで投資候補の銘柄を決める

ポートフォリオのテーマを決めたら、次にスクリーニングを行って投資候補となる銘柄を決めていきます。

スクリーニングとはいわゆるふるい分けのことで、銘柄を選ぶ際に業績や各種投資指標などといった条件を設定することで、それに合った銘柄を探し出すことができます。

たとえば、証券会社などがインターネットで提供するスクリーニング機能を活用することで、自分の投資スタンスにあった銘柄を簡単に選び出せるのが大きなメリットです。

他にも成長性が見込まれるのか、株価は割安なのか、流動性のリスクや債務不履行のリスクがないかどうかもスクリーニングで銘柄を厳選します。

また、銘柄をさらに厳選するために投資候補となる銘柄をそれぞれ詳しく確認していきます。

このときにチェックするポイントは、以下の通りです。

  • 競合他社と比較して競争力や優位性はあるか
  • 高いブランド力や市場シェア、占有技術があるか
  • 経営陣が実行できる戦略を持っているか
  • その企業が持つリスクはどんなものなのか

投資候補の企業の情報を集める

スクリーニングによって投資候補となる銘柄を選んだら、次に投資候補の企業の情報を集めていきます。

企業の情報を集めるにあたって重要なのは、企業がIR活動によって後悔している開示情報です。

開示情報だけでもかなりの情報を集めることができますが、それだけでは不十分という機関投資家は経営者やIR担当者とのミーティングをセッティングします。

対面で企業の透明性や成長性、経営ビジョン、経営者の資質、経営目標の実現性など、投資するにあたって必要な情報を集めつつ信用できるかどうか判断します。

業績予想とバリュエーションを検討する

投資候補となる企業を分析するアナリストなどの意見を参考にしながら、今後の業績予想、組み入れる銘柄が割安か、株価に対して企業の評価は織り込み済みかどうか、バリュエーションを検討します。

バリュエーションとは、企業の利益・資産などの企業価値評価のことです。

投資候補の企業のバリュエーションを分析し、企業価値がどのくらいあるかどうかで投資する価値があるかどうかが判断できます。

ポートフォリオを構築する

これまでの情報や分析結果を元に投資する価値がある銘柄・企業だと判断できた場合は、選定された銘柄でポートフォリオを構築していきます。

機関投資家に選ばれる銘柄の特徴

機関投資家に選ばれる銘柄の特徴は、以下の通りです。

  • 大型の株・ETFであること
  • 流動性が高い
  • 将来性が高い
  • 財務状況や実績が充実している
  • 積極的に情報を開示している
  • 銘柄が割安で購入できる

それでは、機関投資家に選ばれる銘柄の特徴についてご説明しましょう。

大型の株・ETFであること

機関投資家は基本的に銘柄の売買によって大きな株価変動のリスクがある取引を行うのを避けます。

何故なら、株価変動のリスクがある取引を行うと市場に大きな負荷をかけてしまうため、原則的に時価総額が低い銘柄に投資しないからです。

したがって、国内であれば時価総額100億円以上、海外のファンドなら時価総額300億円~3,000億円といった銘柄でないと購入しません。

規定により大型株やETFの銘柄を選んで購入するのが一般的です。

流動性が高い

機関投資家は基本的に売れなかったり買えなかったりする流動性が低い銘柄は購入しません。

原則として数百億円規模の大きな時価総額の取引を行うからこそ、市場に負荷をかけないように細心の注意を払っています。

後から銘柄を買い足す場合でも数十億円の取引が発生する以上、流動性が高くないと市場に負荷をかけてしまいます。

したがって、顧客の解約に伴ってすぐに換金しておかなければならないため、売りやすくて購入しやすい流動性が高い銘柄を選ぶのがポイントです。

将来性が高い

日本国内や海外で購入できる数多の銘柄の中には、ニッチな銘柄や大穴狙いができる銘柄などの変わった銘柄が存在します。

これらの銘柄に投資するのもありかもしれませんが、機関投資家は斜陽産業の銘柄を購入することはありません。

一発狙いをするよりも、将来性が高い企業に投資した方がリターンが見込めるという考えです。

したがって、調査対象の企業は業界内でどんなポジションにあるのか、どんな市場をターゲットにして経営戦略を練っているのかなど、全体的なビジネスモデルを調査した上で選定します。

財務状況や実績が充実している

機関投資家にとって重要なのは将来性ではなく、財務状況や過去の実績が充実しているかどうかです。

将来性はもちろん大切ですが、それよりも過去の実績を確認して優良銘柄かどうかがポイントです。

業績にブレ幅があったとしても赤字になったことがなかったり、株主資本比率が高いことで財務体質が良かったりするのが一例となります。

どんなに優良な企業でも経済環境や市場環境が大きく変動すると対応に追われることが多いため、そんな中で将来性を予想するのは難しいでしょう。

しかし、過去の実績が充実している企業であれば、どんな状況下でも良い結果に結びつくという期待が持てます。

積極的に情報を開示している

IR活動を積極的に行っている企業は、それだけ企業の情報を世間に開示しているということでもあります。

誠実で正確な情報開示を行っている企業は機関投資家にとって優良企業であり、投資する価値があるかどうか判断しやすくなるのがポイントです。

企業側はすべての情報を開示する必要性はありませんが、可能な限り網羅した情報を開示することが大切です。

また、実態とあまりにもかけ離れた情報を買いjしうるのはもってのほかなので注意しましょう。

銘柄が割安で購入できる

機関投資家が投資するときは長期間投資となるため、割安で銘柄が購入できた方がお得です。

というのも、割安の銘柄は株価が上昇する期待値が高い傾向にあるため、機関投資家のみならず個人投資家も狙うオーソドックスな投資方法でもあります。

機関投資家とのミーティングのセッティング方法

機関投資家とのミーティングのセッティング方法は、以下の通りです。

  • 証券会社からのセッティング
  • 機関投資家から直接打診される
  • IR部門からのセッティング

それでは、機関投資家とのミーティングのセッティング方法についてご説明しましょう。

証券会社からのセッティング

証券会社は基本的に機関投資家の対応部署があるので、機関投資家からのオファーがあればスケジュール調整を行ってセッティングします。

機関投資家から直接打診される

小さなファンドの場合、機関投資家から直接面談依頼のオファーが来ることがあります。

面談依頼が来たら候補となる日時と面談形式を確認します。

IR部門からのセッティング

IR部門は面談履歴や名刺情報、株主判明調査情報を持っているので、こちらから機関投資家にオファーをして面談日時のセッティングを行います。

IR支援ツールを導入している場合、競合他社に投資している機関投資家にオファーができるので、自社をアピールする手段として活用できます。

機関投資家とミーティングを行うときのポイント

機関投資家とミーティングを行うときのポイントは、以下の通りです。

  • 面談履歴を読み直してアップデートする
  • 機関投資家との関係を作ることを重視する
  • 喋りすぎない

それでは、機関投資家とミーティングを行うときのポイントについてご説明しましょう。

面談履歴を読み直してアップデートする

機関投資家との面談スケジュールが決まったら、今までの面談履歴を読み直して必要に応じてアップデートする必要性があります。

前回行った面談からどのようにアップデートしたのか伝えられるように、正確な情報を確認して説明できるようにします。

また、自社内で大きなニュースがあった場合は、その経緯や反響についてインプットするのはもちろん、機関投資家の投資スタンスも確認しましょう。

機関投資家との関係を作ることを重視する

必要な準備が整ったら機関投資家との面談に臨みます。

基本的に機関投資家からの質問に誠実に答えることが大切ですが、質問に答えているだけではあっという間に時間切れになりますし、機関投資家との関係を作ることもままなりません。

したがって、質問に答えつつ機関投資家の今後の展望や市況の見通し、競合他社はどのような状況になっているのか聞き出すことが大切です。

上手に話し合いながらお互いに必要な情報が手に入る状況を作り上げることで、機関投資家との関係をスムーズに作り上げることができるでしょう。

喋りすぎない

機関投資家との面談で最も気を付けたいのは、喋りすぎないことです。

喋りすぎて重要な情報を喋ってしまうと、フェアディスクロージャーに抵触する可能性があります。

フェアディスクロージャーとは、上場企業等が特定の第三者に対して未公表の重要情報を提供した場合は、原則として同時に同じ内容を公表するように求めるルールのことです。

つまり、投資もアドバイスもしてくれる機関投資家に対して、まだ後悔していない情報を喋ってしまった場合、その情報が競合他社にも知られてしまうということです。

これでは自社の重要な情報が外部に漏れてしまうため、喋りすぎないように注意しましょう。

まとめ

機関投資家は非常に大きな規模の投資を行うため、銘柄や企業の選定基準も大きく違います。

そんな機関投資家に投資してもらえれば大きな利益につながる可能性があるため、積極的にIR活動を行って誠実な企業であることをアピールしましょう。