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企業成長に繋がる株主優待の最新動向について解説!

目次

今では多くの企業で導入されている株主優待ですが、株主への感謝を示すだけでなく企業の成長や安定経営に直結する制度でもあります。以前は優待品の内容が固定されることも珍しくありませんでしたが、近年はより株主目線で選定したり、企業ごとの目標につながるような優待品にしたりする企業も増えています。

本記事では株主優待についての基礎知識のほか、各企業の実際の優待品や優待制度を活用した取り組み事例などを記載しました。

また、最後の章では現在注目を集めているおすすめの優待サービスも紹介しています。ぜひご覧ください。

株主優待とは

株主優待とは企業が株主に感謝の意を込めて商品やサービスなどのプレゼントを贈る制度です。
2024年5月時点で上場企業の1,500社近くが導入しています。
法的には縛られていない任意の制度ですが、個人株主を増やす目的で株主優待を新設する企業が増えています。
株主優待は企業と株主の距離を縮め、より良好な関係を築くための施策として実施されている反面、企業にとっては自社製品をアピールする機会にもなります。

ただ、上場企業の約9割が自社製品を優待品に採用していた一時期とは違い、近年では商品券やカタログなどの非自社製品に切り替える企業が増加傾向にあります。
コストをかけてでも個人株主を獲得したいという考えにシフトしつつあると言えるでしょう。

また、以前は1,000株を保有している株主を優待制度の対象とする企業もいましたが、ここ数年で株式の売買単位を100株に統一する取り組みが全国の証券取引所で進んでいます。

これにより、現在では100株から株式優待の権利を得ることも一般的になり、株主にとってはより少額で手軽に優待を取得できるようになりました。

株主優待が必要とされる理由

株主優待を通して自社製品をアピールできることは企業側にとってもメリットですが、優待制度を取り入れる目的はそれ以外にもあります。

大きく言うと3つの目的があります

①株価上昇

株主優待は株価上昇を触発させるはたらきがあります。

特に優待制度の新設発表があった場合は投資家の購買意欲が上がる傾向にあり、株価が上昇しやすくなります。

また、新設ではなく既存の優待を強化した際も同様です。

②長期的な株価の安定

年に1、2回程度贈られる優待品を楽しみにしている株主は多く、優待を受けるために株式の保有を継続することも珍しくありません。
これにより、自社の株は安定して売買されるため、市場での流動性が高まり、企業側はリスク低減が図れます。
優待品を受け取る際に「1年以上の継続保有」といった条件が付いていることを目にするのはこのような所以からです。
企業によっては長期保有の株主に対して優待品のグレードを上げることもあります。
その場合、株主の満足感はより大きなものになるでしょう。

③企業の認知度とブランドイメージ向上

株主が株を購入している時点で少なくともその企業に興味関心はある状態と言えますが、実際に優待で受け取った商品やサービスを使うことで、より深く企業の魅力を感じるようになります。

優待を通して企業のファンになった株主は家族や知人へ紹介したり、周囲に口コミで伝えたりと自分が受け取った喜びを拡散していくため、結果として企業の商品やサービスも広がっていきます。
優待品が高品質のものやコスパ高であればあるほど尚更でしょう。

さらに、優待内容が企業のCSR(社会的責任)やCSV経営(事業そのものが社会課題を解決している経営)と連動していれば、ブランドイメージの向上が期待できます。

例えば、優待品がプラスティックを使用せず再生紙を活用してつくられた製品であった場合、受け取った側には「環境に配慮できる会社」という認知が生まれ、企業への好感度や信頼性が高まることが予想できます。

テレビCMやSNSでの宣伝に比べるとやや遠回りと言える方法かもしれませんが、その反面根強いファンを獲得できるのが株主優待の魅力です。

抑えておきたい「権利確定日」

先述のとおり、株主が株主優待を受けるためには株の保有数や保有期間など一定の条件をクリアする必要がありますが、忘れてはならないのが「権利確定日」です。
権利確定日に株を保有していなければ優待の権利を得ることができません。

権利確定日は、「その日に株主として記載されることにより、株主優待や配当、株式分割などの権利を得られる日」とされており、一般的には企業の決算期にあたる3月や9月になることが多いです。

また、株主として記載されるためには、購入後2営業日の期間が必要です。
そのため、権利確定日に株を保有している状態にするためには、遅くとも権利確定日の2営業日前である「権利付き最終日」に株を購入しておく必要があり、これを2024年9月のカレンダーに当てはめると以下のようになります。
・9月26日(木) 権利付き最終日
・9月27日(金) 権利落ち日
・9月30日(月) 権利確定日
※土日祝は除き、企業の営業日で換算する必要があります
※保有期間の制限が無い企業の株を持っている場合は、権利確定日の当日だけ株を持っていれば株主優待を受けることができます

株主優待品の事例

ここからは日本の企業が実際に優待品として採用している商品やサービスを紹介していきます。
冒頭で述べたとおり、自社製品か非自社製品であるかは各社の判断によって分かれますが、大手企業においては自社製品を採用している企業の割合がまだまだ多い状況です。

なお、優待品の受け取り対象は100株以上を保有している株主からと定めている企業がほとんどで、保有数に応じて優待品を全く違うものにする企業も存在します。

【日本マクドナルドホールディングス】

「食事優待券」
・バーガー類・サイドメニュー・ドリンクの3種類の商品引換券がセットとなったシート
・1冊につき6シート入
・100株で1冊、300株で3冊、500株で5冊
・一部店舗を除き、国内のマクドナルド全店で利用可
・1年以上継続保有(12月末日および6月末日の株主名簿に同一株主番号で連続3回以上100株以上保有が記載)の株主が対象

【ライオン】
「自社製品詰め合わせ」
・詰め合わせの中身は洗剤などの新製品が中心
・1年以上継続保有(12月末日および6月末日の株主名簿に同一株主番号で100株以上保有を連続3回以上記載)の株主が対象
・2024年12月割り当て分は保有期間にかかわらず優待の対象

【イエローハット】
「油膜取りウォッシャー液2.5L 商品引換券」
・全国のイエローハット店舗でのみ引き換え可

【ラクトジャパン】
「1,000円分のQUOカード」
・100株以上を3年以上継続保有(11月末日および5月末日に100株以上保有し、株主名簿に同一株主番号で連続7回以上記載)の株主は、QUOカードに代えて自社選定カタログから3,000円相当の乳製品や食肉加工品などを選択可

【信金中央金庫】
「優先出資者限定オリジナルグッズ」
・100株は、奥能登の味コシヒカリ(すえひろ舞)1kg
・300株以上は、グルメカタログ約60商品の中から選択

株主優待も多様化?企業側の狙いとは

株主優待を導入する企業は増えていますが、導入の目的やスタイルは年々多様化しつつあります。
人気雑貨の無印良品を展開する良品計画は2023年に株主優待を導入しました。
優待品は定価販売商品の買い物が割引になる優待カードで、導入当初の割引率は5%でしたが、2024年8月期の株主からは7%に拡大されています。

良品計画はIR(投資家向け広報活動)にも積極的で、株主優待の導入と同じタイミングで個人投資家向けの専用サイトを開設し、現在は「株主・ファンミーティング」を全国で開催しています。
割引率を7%に引き上げたのもこのファンミーティングの場で要望が相次いだことがきっかけでした。
ここ数年で同社の株を3年以上保有する個人株主の割合は増加しており、投資家の声に耳を傾け寄り添う姿勢が功を奏しています。

また、通常の売上よりも優待カードでの売上の方が大きく、全体的な底上げにも成功しています。
株主優待を通して株主にお得感を与え、売上増加につなげた事例と言えるでしょう。
同社は株主優待を「株価上昇と配当に並ぶ株主に報いる3本の矢の一つ」としており、今後も長期株主を増やしていく予定です。

老舗の高級ホテルである帝国ホテルも、2024年3月末の株主からホテルの利用券や宿泊券を贈る取り組みを始めました。
有効期間は1年で、1万株以上を保有した場合は東京か大阪のいずれかの帝国ホテルで一泊できる宿泊券がもらえます。

また、宿泊に限らずホテルは婚礼行事などの場面でも使われるため、ファンになった株主は自身の家族や親戚にも利用を勧めることがあります。

インバウンド(訪日外国人)の影響も受けて優待制度を導入した後の同社は個人株主が大幅に増えている状況で、さらに利用券に釣り銭が出ない仕組みを設けていることから買い物客が損を嫌うため利用券以上の消費となり、売上も拡大しました。
いずれも株主優待を活かして自社の売上を増やし、株主にも報いる道筋を意識した取り組みであり、株主優待の今後の在り方として参考にしたい事例です。

株主優待にはデジタルギフトがおすすめ

良品計画や帝国ホテルのように近年では趣向を凝らした優待品も増え、株主優待の種類も豊富になっています。

また、ほかでは手に入らない株主限定商品が提供されたり、カタログの掲載品の中から品物を自由に選べたり、優待品に代えて社会貢献や寄付に回せたりする優待品も登場しています。
ただ、全体的には「モノ」である優待品がまだまだ多く、株主によって好みが分かれやすい状況にあるとも言えます。

そこでおすすめしたいのが、「デジタルギフト」です。

デジタルギフトは、会員登録が不要で、誰でも簡単に自分が欲しいギフトを選べるサービスです。

従来の優待品のような商品券や物品とは異なり、QRコードを読み取るだけでその場でギフトを受け取ることができます。

デジタルギフトの受け取り過程に動画メッセージやアンケートを組み込むことで、企業と株主が双方向にコミュニケーションを取ることができます。

スマートフォンが普及している今、動画メッセージを活用することで、企業への理解をより深めることができるでしょう。

また、アンケートを通じて、株主が企業に抱く期待や株式保有の理由など、リアルな声を収集することができ、中長期的な経営戦略の策定に役立ちます。

これまで手書きでアンケートを集計していた企業は、デジタルアンケートの導入により、事務作業の負担を大幅に軽減できます。

この機会に、デジタルギフトの導入をぜひご検討ください。